弊社のNC旋盤加工技術の特徴をご紹介
中型のNC旋盤による片持ち × 丸物の金属加工に特化
「大は小を兼ねる」ということわざがありますが、旋盤については必ずしも該当するとは言えません。この最大の理由は、大きな機械では小さなワークに必要な回転数が得られないことにあります。この回転数不足は加工品質を満たすことができないばかりか、加工時間(即ちコスト)も掛かります。したがって、旋盤加工をする際には、ワークのサイズに対して適正なサイズの旋盤を選ぶ方が合理的です。
弊社では中型クラスのNC旋盤加工をターゲットとし、外形寸法が概ねφ400 ~φ800mmのワークに対応することが可能です。所有する加工設備は横型NC旋盤およびNC正面盤の2機種。これらの設備の特徴を最大限活用し、最も高い生産性を実現する組み合わせは【片持ち×丸物(油圧)×数モノ】です。
挑戦と試行錯誤から得た加工ノウハウの蓄積
旋盤加工ではまずワークを機械に取り付けられたチャックで把握します。この状態でワークを回転させると同時に刃物を当てることによりワークを切削し、所定の寸法形状に成形していきます。この時、把握力・切削条件などの設定を誤ると回転したワークが飛出し危険である上、機械・ワーク自体が損傷します。また、ワークが薄肉の場合、把握力が強すぎるとワークは変形した状態で加工されることから、所定の精度が確保できないなど、難易度は高くなります。
ワークを加工する前の準備段階には、何工程で加工を行うかの検討、各工程で使用する治工具の検討、材質、素材形状、ワーク形状、重量などを考慮した加工条件の最適化などが必要となります。また、ワークを加工する際は、玉掛けから始まり、芯だし、取り付け面の状況、ワークの振れ、設定した加工条件の妥当性、熱影響、ひずみの考慮、寸法公差・幾何公差などの考慮が必要となります。弊社はこれまで多種多様な金属加工に挑戦し、試行錯誤を繰り返しながら加工ノウハウを蓄積してきました。
弊社では原則として加工者本人がプログラムを組みます。これにより、加工中に生じた現象を迅速かつ的確にCAMにフィードバックでき、机上の空論に留まらないNCデータの作成が可能です。弊社ではこれにより、作業の効率化のほかプログラミングのノウハウを蓄積してきました。
市場流通品では不十分なケースでは特殊な治工具を利用します。この際、感覚に基づいた場当たり的な治具では後戻りが多くなりがちです。弊社では材料力学など工学的知見に加え、3DCADを用いた冶具の設計・製作を行い、付加価値と経済性を追求します。
理論計算による加工現象の可視化・事前予測
多品種少量の加工現場においては、ワークの取り付けから加工までを、熟練した職人の勘と経験に依存せざるを得ません。
一方、熟練職人の引退ならびに少子化などによる技能継承問題のほか、海外との競争激化などによる危機が迫っているのが現状です。弊社では勘と経験やノウハウといった暗黙知に支配されていた領域の一部を、形式知として置き換える独自の取り組みを行ってきました。これは、加工に伴う現象を理論計算値により可視化・事前予測し、データベースとして活用するものであり、加工の高度化を促進します。
生産能率の向上に威力を発揮しているCAEを導入することによって機械加工前に外力による変形量を予測します。この取り組みを開始したことで、従来の勘と経験のみに依存していた部分の可視化、現象の理解のほか加工現場における生産性・品質の向上を実現しています。
弊社独自のモデルにより、加工に要する把握力の理論値を算出し、実際の加工時に反映させます。この取り組みを開始したことで、従来の勘と経験のみに依存していた部分の可視化、現象の理解のほか加工現場における生産性・品質・安全性の向上を実現しています。